
家族が耳鳴りを発症した
15年近く前になりますが、私の妻は耳鳴りを発症しました。
当時は、インターネットも今ほど情報が充実しておらず、耳鳴りの治し方を調べることはできませんでした。
西洋医学の書籍にあたっても、「耳鳴りは原因不明。治療方法は対症療法しかない」。
東洋医学の場合は、「耳は腎臓と関係する」。
という程度の記述しかなく、詳しく学べる資料がありませんでした。
そのため、私たちは自分たちで耳鳴りの治療法を模索するしかありませんでした。
色々なことを試した結果、なんとか1年半ほどで耳鳴りを治すことができました。
患者さんからの質問と、妻の返信
ある日、妻が患者さんから「どうやって耳鳴りが治っていったんですか?」とメールで尋ねられました。
そのとき妻が返信した内容を、簡単ではありますがご紹介します。
耳鳴りが治っていったときの妻の感想
どんな風に耳鳴りが治ってきましたか?
だんだん小さくなるんですか?
キズがかさぶたになっていくように目に見えて治ってるとわかりやすいのだけど、
耳鳴りは、音が遠くなってくるんです。
言い方を変えると、意識する時間が少なくなります。
遠くで音が鳴ってる感じって、そんなに辛くないんです。
そして、耳を澄ませないと聞こえなくなってくる。
あれ〜〜? 耳鳴り聞こえない!!
うんうん、こんな感じです」
感想の解説
妻のこの感想は、耳鳴りの終わり方についてのものです。
実は、耳鳴りがピタッと止むことはあまりなく、いつの間にか鳴り終わっていることが多いのです。
耳鳴りが治っていく一般的な流れ
- 耳鳴りが気にならなくなる
- 音が小さくなる
- 耳鳴りを忘れる時間が増えてくる
- いつの間にか耳鳴りがなくなっていた
個人差はありますが、だいたいこのような流れで治っていく方が多いです。
音が小さくなるより「気にならなくなる」が先
注目していただきたいのは、音が小さくなるよりも「気にならなくなる」方が先だということです。
「あれ?普通は小さくなるから気にならなくなるんじゃないの?」と思うかもしれません。
でも実際は、その逆なのです。
気にならなくなってから、耳鳴りが小さくなっていくのです。
もちろん、同時に起きる方もいますが、この順番が非常に重要です。
自律神経の緊張が耳鳴りを悪化させる
なぜこのような順序になるのか?
それは自律神経の緊張が耳鳴りの「辛さ」を強めているからです。
- 神経が過敏になる → ささいな刺激が気になる
- 聴覚が過敏になる → 周囲の音が辛く感じる
- 不安感が強くなる
つまり、精神的に非常に辛くなってしまうのです。
特に不安感と耳鳴りが組み合わさると、最悪の状態になります。
この「負のループ」から抜け出せなくなる方が多いのです。
緊張を緩めれば、耳鳴りは楽になる
当院では、この自律神経の緊張緩和を最優先で行います。
そうすれば、妻のように「耳鳴りを意識する時間が少なくなり、気づいたら止んでいた」という状態になります。
耳鳴りで長年苦しまれている方の多くは、自律神経の強い緊張を抱えている傾向があります。
私は、自律神経の緊張を根本から緩めることが得意です。
そのため、重度の耳鳴りに悩む患者さんほど、大きな効果を感じていただいています。
耳鳴りを、あきらめないでください
「どこに行っても耳鳴りが治らない」
そうおっしゃる患者さんを、私は何人も見てきました。
でも、耳鳴りを辛い状態で固定化させている原因は、必ずあります。
その多くが、自律神経の過緊張です。
そうすれば、耳鳴りは楽になり、やがてなくなっていきます。
1人でも多くの方が、妻と同じように耳鳴りの辛さから解放されますように。
そのお手伝いができるよう、これからも少しずつ記事を更新していきます。