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耳鳴りと耳硬化症

耳硬化症かも?まずは耳鼻科での診断を

「最近、片耳だけ聞こえにくい」「高い音が耳に残る感じがする」
そんな症状があるとき、もしかすると「耳硬化症」が関係しているかもしれません。

まずは何よりも、耳鼻科などの専門医を受診し、正確な診断を受けることが大切です。
耳硬化症は進行性の病気であるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。

耳硬化症とは

耳硬化症(じこうかしょう)は、音の伝達に関わる「あぶみ骨」という小さな骨が硬くなり、本来の振動ができなくなることで、音がうまく内耳に伝わらなくなる病気です。

この骨の硬化により、徐々に聴力が低下し、特に片耳にだけ難聴が起きるケースが多く見られます。

耳硬化症による片耳難聴の特徴

  • 徐々に進行する片耳(または両耳)の難聴
  • 20〜40歳代の若い世代に多く見られる
  • 家族にも同じ病気の人がいることがある(遺伝的な要素)
  • 小さな音は聞こえにくいのに、大きな音は普通に聞こえる「パルツ現象」
  • 高音の「キーン」という耳鳴りが伴うことがある
  • めまいや平衡感覚の異常が出ることも(まれ)

他の片耳難聴との違い

  • 突発性難聴: ある日突然、片耳の聴力が急激に落ちる。耳鳴りやめまいも伴いやすい
  • メニエール病: 発作のように難聴が繰り返される。激しいめまいを伴うことも
  • 聴神経腫瘍: 腫瘍の成長とともに片耳の聴力が徐々に低下。しびれやバランス障害も
  • 耳硬化症: 症状はゆっくりと進行。耳鳴りはあってもめまいは比較的少ない

診断と治療について

診断方法

  • 聴力検査(オージオグラム): 伝音性難聴のパターンが確認されます
  • ティンパノグラム: 鼓膜の動きを調べ、あぶみ骨の硬化を評価します
  • CT検査(必要に応じて): 耳の骨の状態を詳しく見ることができます

治療方法

  • 経過観察: 軽症であれば様子を見る場合もあります
  • 補聴器の装用: 聴力が低下している場合に有効
  • アブミ骨手術(ステープス手術): 硬化した骨を人工の骨に置き換え、音の伝達を回復
  • 薬物治療: ビタミンDやフッ化物などを使い、進行を遅らせることもあります

東洋医学的なアプローチもご相談ください

耳鼻科での治療が終わっても、「耳鳴りが残っている」「なんとなくスッキリしない」といったお悩みが続く方も少なくありません。

そうした場合は、当院のような東洋医学的アプローチ(マッサージ・気功・メンタルイメージセラピー)が、耳や神経系の緊張をゆるめ、症状をやわらげるお手伝いができることがあります。

まとめ

  • 耳硬化症は、耳の骨が硬くなることで音が伝わりにくくなる病気です
  • 進行性の片耳難聴の原因として知られており、特に若い世代にも見られます
  • 早期に耳鼻科を受診し、必要な治療を受けることが大切です
  • 病院での治療後も不調が続く場合は、東洋医学的なケアもご検討ください