
以前、患者さんでこんなことを仰る方がいました。
「偉いお坊さんの本を読んで、怒りは流すようにしています」
ですがその人の体は、首や肩のコリが強く、緊張が強い状態でした。
おまけに呼吸も浅く、眠りの質も浅くなっていました。
怒りを流しているというよりも、歯を食いしばって怒りに耐えている感じです。
メンタルイメージセラピー(以下、MIT)で、心の中の自分をイメージしてもらうと、やはり怒っている自分が出てきます。
真っ赤っかで、角ばっているイメージです。
MITをすると、心の奥のものが出てきます。
それをイメージと気功を使って解消してあげます。
そうすると、色はだんだん透明になっていき、形も丸くなっていきます。
最終的には、消えてなくなります。
すると不思議なもので、今でカチカチだった首や肩やコメカミが、柔らかくなるのです。
こうなったら、もうマッサージで解し放題になります。
首や頭が柔らかくなれば、耳鳴りの音も小さくなります。
自分でも、なんとも不思議な治療だと思います。
これは何が起きたのかというと、「怒り」の大元を解消したのです。
怒りなどのネガティブな感情には、火元があります。
その火元は心の奥底にあって、そこから時々、噴き上がるようにして怒りが生じるのです。
つまり、怒りとは、結果でしかないのですね。
なので、怒りを流したとしても、火元がそのままだったら、また噴き上がってきます。
大事なのは、大元です。
原因を解消すれば、自分の体を燃やすような怒りは、出てこなくなります。
多くの患者さんを治療させてもらい、様々な勉強をしていくことで、心の奥のネガティブな固まりを解消できるようになりました。
これがあると、どうやっても緊張が緩まないので、厄介なのです。
ですが、MITで解消すれば心は自由になるので、体を緩めることができるようになります。
そうなることで、初めて耳鳴りは根本から治っていくのです。